「一写入魂」
「一写入魂」
はじめに
雨であっても 曇りであっても
新緑や紅葉がよくとも 悪くとも
朝焼けが期待通りになっても ならなくとも
今日で出会えた光景に 素直に 感動しよう
生きていることの喜び
シャッターを切れることの喜びの灯を
決して 絶やさずに
こころを 喜びでふるわせよう
感動喪失病にならないよう
いつも 被写体に 自然界に
支えてくれるすべての人に
そして 神に 感謝しよう
人との競走や 欲を捨て
ひたすらに 出会いの光景を
祈るように 描こう
感動と喜びが 画面に宿り
それが 作品の力となろう
それが 自分史に残る 作品となろう
自然写真家 鈴木一雄
『風景写真の極意』(日本写真企画刊)より抜粋