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    2013年3月31日 日曜日

     「親友でもあり、写真の相棒でもあったTさんを亡くしました。ショックでカメラを握っていません」という悲しいことばが、Mさん(女性)からの今年の年賀状に、弱々しい筆跡で書かれていた。MさんとTさんは大学時代からの親友で、趣味としての写真も一緒にされてきたらしい。二人は昨年の春に久しぶりに私の撮影会に参加され、5月には私のフォト寺子屋『一の会』に見学に来られていたのだった。その後に連絡が無く、私は入会を断念されたのだと思っていた。

     電話をかけて事情を聞くと、私の会に見学に来られた直後にTさんのガンが発見され、11月にはあっという間に他界してしまわれたという。私は少ない励ましの言葉をかけた。Mさんは、ほどなくして開催された私の新春写真セミナーに顔を出された。私はMさんに、“私たちはいつどうなるかわからない”“今という時間を精一杯生きることが大切”“Tさんは、Mさんが自分の分まで写真を楽しんでくれることを天国から望んでいる”というようなことを話した。嬉しいことに、Mさんはその後前向きに写真を続ける気持ちを持たれ、私の会に入会された。

     時々、若い頃に読んだミンコフスキーの『生きられる時間』という本のことが思い出される。かなり難解な内容ではあったが、“今という時間を、自分の信念で精一杯生きる”という思いを強めた印象が残っている。最近、「いつやるか?、今でしょ!」というキャッチフレーズが流行しているけれども、それも東日本大震災という大きな痛手を日本人が受けたことがひとつの要因になっているのではなかろうか。
     
    肩の力を抜きながらも、“今”という時間を精一杯生きることが、何よりも大切なことのように思われる。

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