2013年4月1日 月曜日
「―見たい撮りたい―日本の桜200選」という私の本が、2月末に出版された。これまでの著書の中で、もっとも難産であった。昨年7月から2月上旬の印刷前日まで、この本にずっと手間暇をかけて関わってきたように思う。もちろん、その他の色々な仕事も重なったこともあるが、その間に仕事を離れて休むことができたのは、二日間だけであった。
この本の大きな特徴の一つには、大相撲のように各都道府県を横綱から十両まで番付をしていることが挙げられる。これが、実にたいへんな作業であった。私の独断と偏見で番付を行うならば一日もあれば可能だが、写真愛好家にとどまらず全国のいろいろな方々が手にすることを考えると、いい加減なことはできない。そこで、①各都道府県にある「一本桜」や「公園や山などの群生」をできる限り調査し、②それぞれに点数評価を行い(“樹齢または本数”“形状”“景観”などの項目)、③都道府県別総合点数を出し、④総合点数の上位から横綱・大関・関脇・小結・前頭・十両という番付をつけた、のであった。この作業に、三人がかりで三ヶ月という時間を費やした。
その後も、都道府県別に紹介する桜の選定やそれぞれの桜の評価(“桜の魅力”“環境の魅力”“撮影自由度”などについて五段階評価)、桜の見所紹介、地図等の情報作成、などの作業が次から次へと待ち受けていた。とりわけ、地図の作成は困難を窮め、本の印刷前日までチェックに追われることとなった。使用する作品の撮影は別として、本作りに費やした時間と労力は、写真集10冊分以上になるのではなかろうか。
そのような難産であったため、今は、とても満ち足りた気持ちになっている。ムック本ゆえに写真集のような印刷の出来映えとはならなかったが、今でも一日一回は手にとって眺めたくなるとても大事な我が子になっている。