2012年10月5日 金曜日
流通ジャーナリストの金子哲雄さんが41歳という若さで亡くなり、昨日からテレビでいろいろと話題になっている。私は彼のことはあまり知らなかったが、分かりやすく人なつこい語り口で人気が高かったらしい。
十万人に一人という難病によって若くして他界されたことは、何とも気の毒である。だが、私がこのニュースに敏感に反応したのは、①自分の病気や残された時間のことを周囲に悟られることなく、直前まで一生懸命仕事をされていたこと、②自らの葬儀をすべて段取りして礼状まで作成していたこと、が伝えられたからであった。
私もこれまで、「写真による自分史つづり」という活動を展開してきた。自分自身が確かにこの世に生きていた証と自分がどのような人間であったかを写真作品と文章でつづり、「自分史」として後生に残そうではないか。そして自分史は“一周忌の引き出物”という位置づけにして、原稿を作り上げて予算の裏付けをきちんとしておく、というのが写真愛好家への私の提案なのだ。
若い金子さんが、悟りを開いたように取り乱すことなく、残された時間を必死で生き、すばらしい葬儀を自ら成し得たことに驚嘆させられる。誰にもできることではなく、心より敬意を表したい。合掌。
※“自分史つづり”の講演については、“お知らせ”をご覧下さい。