2018年8月25日 土曜日
昨年の6月中旬に、初めてこのクリンソウが咲き乱れる森を訪れた。ここは、北海道津別町の“津別の森”。私の知る限りでは、クリンソウの群生地としてはもっとも規模が大きく、そして風情に満ちた場所ではあるまいか。何しろ、渓流が美しく流れ、そして鮮やかに苔むす森のいたるところに気持ちよさそうに咲き誇っている。
この作品の作画の鍵は、“1/4秒”というシャッター速度だ。渓流の白く泡立つ部分を美しい流線形に表現するためのシャッター速度は、1/4秒以下の低速シャッターである。できれば1/2秒以下がベストだが、この日は常に風が吹いていた。1/2秒ではクリンソウがブレてしまう確率が格段に高くなるために、ここでは1/4秒というぎりぎりのシャッター速度を選択した。それでも、花が風に揺れてブレしまう。風が一瞬止んだのを見計らって何度もトライを重ねるが、花がブレないように撮影できるのは十回に一回程度の割合であろうか。