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  • 独り言 -時々のつぶやき-

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    【二重奏-1-】(Duo-1-)

    更新:2020年11月19日

    光芒は、時間と共に斜めに角度を変えていく。

    The glow changes its angle diagonally over time.

    【真横の光芒】(A glow that shines right across)

    更新:2020年11月15日

    滝の上を真横に走る朝日。このような光景を見ることができるのは、ここだけだと思う。(熊本県南小国町夫婦滝)

    The sunrise running right over the waterfall. I think this is the only place where such a scene can be seen. (Meoto Folls Minami Oguni Town, Kumamoto Prefecture, Japan)

    【尾瀬の黎明-3-】(Dawn of the Oze-3-)

    更新:2020年11月13日

    (これが、雲海に隠れていた尾瀬ヶ原)

    半年は雪蒲団の 別世界 
    高層湿原では
    植物も生物も 腐らない
    泥炭となりて 
    一年に一ミリずつ 
    静かに 積み重なっていく

    それゆえに 
    養分は とても少ない
    そんな厳しい環境で
    あらゆるものが
    懸命に 生きている
    わずかな栄養でも
    たくさんの花が 
    元気に 微笑んでいる

    尾瀬にくるたびに
    私は
    希望を 見いだす

    (隔月刊「風景写真11・12月号」に掲載)

    (This is Ozegahara, which was hidden in a sea of clouds.)

    The Oze is a different world, covered in snow for six months. 
    In Ozegahara, which is a high moor, you can
    Plants and animals do not decay.
    They don’t decompose, they turn into peat.
    One millimeter a year, one millimeter at a time, and they quietly add up.

    This is why there is very little nutrients in the Ozegahara.
    In such a harsh environment, every living thing is trying hard to live.
    Even though they have very little nutrition.
    The flowers are smiling cheerfully.

    Whenever I come to Oze, I find “hope”.

    【尾瀬の黎明-2-】(Dawn of the Oze-2-)

    更新:2020年11月11日


    太陽が昇ると、尾瀬ヶ原が少しずつ現れてくる。

    As the sun rises, Ozegahara gradually comes into view.

    【尾瀬の黎明】(Dawn of the Oze)

    更新:2020年11月09日

    本当に感動的な夜明けだった。―天地黎明―
    日本有数の高層湿原(尾瀬ヶ原)が、この雲海の下にある。
    納得のいくこの作品を撮るまで、半年ほどの月日を要した。
    (群馬県尾瀬)

    It was a truly emotional dawn. – dawn of heaven and earth-.
    One of Japan’s tallest marshlands (Ozegahara) lies beneath this sea of clouds.
    It took me about six months to get a satisfactory shot of this work.
    (Oze, Gunma Prefecture)

    ■サクラマスの滝登り

    更新:2018年10月22日

     2018年6月20日。ここは、北海道清里町にあるさくらの滝。ここでのサクラマスの撮影は、今回が三度目となる。三日前に標津町の滝で撮影を試みたのだが数が少なく、時期的にまだ早すぎたのかとあきらめていた。さくらの滝でも多くは期待していなかったが、いざ滝に到着すると、サクラマスは盛んにジャンプをしていた。大きいものは50センチを超えていて、その迫力に息をのむ。まさかの光景に、感動のボルテージが一気に高まった。

     サクラマスは、実は渓流の女王と呼ばれているヤマメという魚と兄弟である。ヤマメが海に出て栄養豊富のプランクトンを食べて大きくなり、川に戻ってきたのがサクラマスという。海に出なかったものは、ヤマメのままで一生を送るというのだ。では、川に残るものと海に出るものはどのように分けられるのか。これまでの研究によると、稚魚の成長段階で大きくなったもの(ほとんど雄らしい)はそのまま川に残り、成長の遅かったもの(大半が雌らしい)が海に出て大きくなるというのだ。

     さて、落差がおよそ5メートルもあるこの滝を登りきることができるのは、はたしてどれほどいるのだろうか。数年前に訪れたとき、半日ほど観察したところでは、おおよそだが、1000回の挑戦で1~2回の成功といったところだった。まず、4メートルほどのジャンプができないサクラマスは、成功できない。また、4メートルのジャンプを成功したとしても、残り1メートルを泳ぎ上ることができるのは、およそ10匹に1~2匹という割合だった。もちろん、一回の挑戦で成功するものもいれば、何百回と失敗を繰り返すものもいるだろう。だから1000匹に1~2匹という成功率ではなく、あくまでも1000回に1~2回の成功率という表現になる。

     それにしても、何度挑戦しても絶対に無理だと思われる小さなサクラマスのジャンプを見つめていると、なんだか切なくなったりする。しかし一方では、彼らに比べて自分自身の諦めの早さも少々気になる。サクラマスのジャンプに、いろいろと考えさせられた。

    ■ヒグマの糞

    更新:2018年10月17日

     2018年6月17日の昼過ぎ、北海道の屈斜路湖(弟子屈町)から標津町へ向かっている途中の道路で、ヒグマの糞を発見した。直径20センチほどの大きな糞と近くにはその半分ほどの小さな糞が道路脇に落ちていた。少しも乾燥していない真新しい糞の状況からすると、親子のヒグマが数時間前にここで用を足していたことになる。車が通る道路上で悠然と“大”をしているシャッターチャンスを逃したしたことが惜しまれた。

    ■クリンソウの群落

    更新:2018年08月25日

    昨年の6月中旬に、初めてこのクリンソウが咲き乱れる森を訪れた。ここは、北海道津別町の“津別の森”。私の知る限りでは、クリンソウの群生地としてはもっとも規模が大きく、そして風情に満ちた場所ではあるまいか。何しろ、渓流が美しく流れ、そして鮮やかに苔むす森のいたるところに気持ちよさそうに咲き誇っている。

     この作品の作画の鍵は、“1/4秒”というシャッター速度だ。渓流の白く泡立つ部分を美しい流線形に表現するためのシャッター速度は、1/4秒以下の低速シャッターである。できれば1/2秒以下がベストだが、この日は常に風が吹いていた。1/2秒ではクリンソウがブレてしまう確率が格段に高くなるために、ここでは1/4秒というぎりぎりのシャッター速度を選択した。それでも、花が風に揺れてブレしまう。風が一瞬止んだのを見計らって何度もトライを重ねるが、花がブレないように撮影できるのは十回に一回程度の割合であろうか。

    ■2018桜旅

    更新:2018年08月13日

    前回述べたように、“クマノザクラ”撮影が、今年の桜旅の始まりだった。それから、高知県、熊本県、香川県、福島県、新潟県、岐阜県、北海道などをめぐり、結果的に67ケ所の桜を愛でることができた。道東で桜旅最後のシャッターをきったのは、5月7日だった。

     今年は、各地の開花が例年より十日前後早まるという、異常な状況だった。花見や撮影を予定していた多くの人は、たいへんな混乱に陥ったと聞いている。撮影ツアーやイベントなどは、臨機応変に変更できないのがつらいところだ。

     私の場合は、是非とも会いたい桜を事前にいくつか決めてはいるものの、あとは旅しながらの出会いに任せる部分が大きい。また、長期間の撮影日程を組んでいることもあって、今年も何の問題もなく、充実した桜旅を味わうことができた。それは、“クマノザクラ”を除いたとしても、ここ10年の中で最も成果の大きい年であったと思うほどである。格別な出会いもいくつかあったが、中でも、道東の山の中で三日間にわたってひとりで見つめ続けたエゾヤマザクラは、まるで夢物語のようであった。満開になるのを願い、次には霧が出るのを願い、さらにはエゾシカが通るのを願ったところ、すべてが叶ったのである。今でも時折、その絶品を眺めては、にたりとしている自分がいる。

    ■新種『クマノザクラ』の誕生

    更新:2018年08月03日

     今年の3月13日、私にとっては衝撃的なニュースが飛び込んできた。何と、100年ぶりに(厳密には、オオシマザクラの発見から103年ぶり)自生種の桜として“クマノザクラ”に認定されたというのだ。本当に、驚いた。何しろ、園芸種の桜はおよそ600種類あるのに対して,自生種の桜はわずかに10種類(沖縄のカンヒザクラを除く学説に立つと9種類)しかない。そこに新たな桜が加わることは、予期せぬことだったからだ。

     その“クマノザクラ”は、熊野川流域を中心として三重県・奈良県・和歌山県に広く分布しているという。では何故に今頃になって新種と分かったのだろうか。実は、これまでヤマザクラと思われていたものが、今回の詳しい調査の結果、あらためて新種ということが判明したのだ。その特徴は、ヤマザクラに比べて早咲きであること、花の色がピンクであること、花序柄(写真参照=数個の花がまとまっている柄の根元部分)が短いこと、葉の形が小さいこと、などという。

     私は、すぐにでもこの桜に会いに向かいたかった。だが仕事が立て込んでいて、ようやく愛車で出発できたのが22日の夜だった。車中泊で迎えた翌日の朝、私は、和歌山県古座川町にあるクマノザクラの標本木(認定された個体)の桜を、胸を熱くしながら見つめていた。満開から一週間ほど過ぎていたためかなり散ってはいたが、3~4割ほどの花がまだ残っていた。クマノザクラの特徴を、じっくりとひとつずつ確認した。一般的なヤマザクラよりも、やはりピンクの色合いが目に付く。心を震わしながら、シャッターをきった。

     しばらくしてから、三重県熊野市の丸山千枚田へと急いだ。標高の高いあの地域周辺ならば、クマノザクラはほぼ満開の状態と予測したからである。期待通り桜は見事に咲き誇っていたが、意外なことにカメラマンは誰一人いなかった。世紀の発見というのにどうしたことか、不思議でならなかった。おかげで私は、じっくりとクマノザクラかヤマザクラかの識別を行いながら、二日間にわたって心ゆくまでシャッターをきり続けることができた。本当にしあわせな時間であった。この喜びのお裾分けを、近いうちにみなさんに…。

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